「パティシエは給料や休みが少なくてきついから転職したい…」
「転職先は異業種にしたい…。でも、他の職業で働いたことがなくて不安」
そんなお悩みを持っていませんか?
実は、華やかなイメージとは異なり、パティシエの離職率はかなり高いです。
1年以内に50%、3年以内に90%以上の人が辞めてしまう、という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
実際私は、パティシエ歴6年目で退職しました。
給料面への不満や体力的な限界から、「異業種に転職したい!」と思ったのが大きな理由です。
そこで本記事では、同じようにパティシエから異業種への転職を考えている方に向けて、転職するときに気になる情報を整理してお伝えします。
〈この記事でわかること〉
・異業種に転職する時にアピールできるスキル4選
・スキルを活かせるおすすめの職業6選
・実際に転職を成功させた人の3つの体験談
・異業種に転職する方法3選
・転職するときの4つのコツ
・転職するときの注意点
・パティシエから異業種へ転職するときのよくある質問
なお、
「そもそも転職活動自体が初めてで不安…」
「履歴書や面接も久しぶりすぎて自信がない…」
という方は、履歴書の添削や面接のアドバイスを無料で行っている「マイナビ転職」がおすすめです。
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パティシエを辞めたい!転職を考える3つの理由

パティシエを辞めたいと思う理由の多くは、待遇面にあります。
- 企業
- ホテル
- 個人店
など、ひとくちにパティシエといっても働く環境はさまざまです。
しかし、感じることの多い悩みは共通しています。
①給料が低い
②労働時間が長い
③人間関係がつらい
それぞれ具体的に説明します。
①給料が低い

正社員の場合、パティシエの平均年収は382万円です。(引用:求人ボックス 給料ナビ)
日本の平均年収が460万円(引用:国税庁令和5年分民間給与実態統計調査)と言われているので、低めの年収であると言えます。
私が勤めていた会社では、
- 昇格による役職手当
- 勤続年数にともなう自動昇給
- 評価に応じた昇給
- ボーナス支給額
これらが少なかったのもあり、6年目の正社員でも年収は300万円に届きませんでした。
また、個人店に勤めていた友人は出勤前・退勤後のサービス残業が多いことで悩んでいました。
その時間に本来もらえるはずの給料がもらえないことで、実際の労働時間に反比例した低賃金になってしまう場合もあります。
仕事量やハードさに反して、給料が低すぎると感じるパティシエは多いです。
②労働時間が長い
パティシエの労働時間は長めです。
特に、何店舗も存在するような企業ではなく、個人店の場合は労働時間が長くなることが多いです。
個人店に就職した友人は、毎日朝6時に出勤し、夜10時まで働いていました。
特に新人の場合は、ケーキを作るための準備で1人だけ早く出勤することもあるため更に大変です。
クリスマスやお正月、ひなまつりなどのイベント時期になると更に労働時間や連勤が増えます。
私の場合は、クリスマス時期は夜中の2時や3時に出勤することもありました。
そのため睡眠が取れないことで体の不調もあり、手当などの制度もないので「割に合わない!」と感じることが多かったです。
③人間関係が難しい
パティシエの職場は上下関係が厳しいことが多いです。
私が働いていた職場も、上下関係に厳しく基本的には時間との勝負で、厨房では常に緊張感が漂っていました。
また、2〜3人で一緒に作業することも多いため、コミュニケーション能力がかなり重視されます。
物怖じせず切り込んでいける人もいますが、職場の空気に馴染めず、人間関係を一番の悩みに挙げる人は多いです。
パティシエが異業種に転職する時にアピールできるスキル4選

「異業種で自分になにができるかわからない…」
「ケーキ作り以外にアピールできるポイントがない…」
そう思うこともあるかもしれません。
ですが、パティシエが異業種への転職でアピールできるスキルはたくさんあります!
①マルチタスク・時間管理能力
②コミュニケーション能力
③売上管理・分析能力
④仕事の正確さや緻密さ
4つに分けて、具体的に紹介します。
①マルチタスク・時間管理能力
パティシエは、限られた時間で別々のことを同時にこなす必要があります。
焼き菓子を焼いている間に他のものの計量や洗い物をし、釜から出して冷やしている間に仲間のポジションを手伝って休憩も回し…という具合です。
自分を含め、誰がなんの仕事を進めるのにどの程度時間がかかるのかを把握し、常に作業しながら次の行動を考え続けることを要求されます。
イベント時には、これに加えてリアルタイムでの売上管理や、販売の手伝いも並行して進めることになるため、更に同時進行する作業は増えます。
そのため、マルチタスク能力と時間管理能力が鍛えられていることをアピールできます。
転職先でも、プロジェクトの業務効率化を自分から進められることは、重要なスキルとして評価されるでしょう。
また、予期せぬ状況への対応にも慣れていることが多いです。
- お客様からのクレーム
- 機械のトラブル
- 原材料の不足
- 配送の遅れ
などを解決してきたパティシエの経験は、問題解決が求められる多くの職種で強みになります。
②コミュニケーション能力
パティシエが働く厨房では、少人数のチーム単位で動くことが多いです。
2〜3人で1つの作業を協力して行うときは、どこまで進んでいるのかなどの
- 報告
- 連絡
- 相談
が、かなり重要になってきます。
確認せず仕事を進めてしまうと、
「作業が完了していると思って休憩に入ったら実は終わっていなかった…」
「重複して作業を行ってしまい原材料が一回分無駄になってしまった」
「疑問があるまま進めてしまい、結局仕上がったケーキが間違っていてすべて廃棄」
などの大惨事が起きてしまう事態も珍しくないです。
そのため、パティシエは報連相を伴うコミュニケーション能力が鍛えられている事が多いです。
これは、多くの職場環境での適応力につながるといえます。
コミュニケーション能力はかなり多くの職場でアピールできるため、非常に有利です。
③売上管理・分析能力
職場にもよりますが、パティシエは2〜3年続けると売上の管理・分析も少しづつ任されるようになります。
私の場合は、
- いま売れている商品とその動向の把握
- 会社から提示された売上目標への進捗
- 目標達成への具体的な施策
などを定期的にミーティングで発表する必要があったため、日々の売上の数字を追う癖がついていました。
これらはケーキやお菓子の業界以外でも、会社で働くうえで必要なスキルです。
また、昇格して商品開発に関わるパティシエも多いですが、そこでも異業種で使えるスキルがあります。
- 顧客ニーズの把握
- 顧客ニーズと会社の要望を反映した商品の設計
- 原価計算
これらも、異業種で商品開発をおこなう際にも使える重要なスキルです。
転職活動のときには、積極的にアピールしましょう。
④仕事の正確さや緻密さ
パティシエの仕事は正確さや緻密さを要求され、管理体制も厳しいことが多いです。
異物混入や食中毒を防ぎ、繊細で美しいケーキを仕上げるためです。
そのため、
「少し清掃を怠っただけで激しく怒られた」
「面倒で、決められた作業を省略してしまい厳しく指導された」
という経験のあるパティシエは多いと思います。
パティシエとして働いていると、ルールを守る正確さだったり、作業の緻密さが自然と身についていきます。
これは食の業界を中心とした異業種はもちろん、多くの仕事で活かすことができます。
パティシエのスキルを活かせるおすすめの職業6選

パティシエがいままで培ってきたスキルを活かしやすく、転職しやすいおすすめの転職先を6つ紹介していきます。
①接客業
②事務職
③品質・衛生管理職
④商品開発職
⑤製菓学校の講師
⑥カフェやレストランの厨房スタッフ
スキルの活かし方や、メリット・デメリットをひとつずつ解説します。
①接客業
繁忙期の対応力や、マルチタスク能力は接客現場でも役に立ちます。
アルバイトで経験していたり、元々ケーキ販売も業務に含まれるタイプのパティシエもいるため、転職の難易度は低めです。
立ち仕事で、お盆やお正月などの繁忙期は休めないという注意点はありますが、子育てやプライベートと両立できる職場もたくさんあります。
応募前の要項をしっかりとチェックし、不明点があれば、面接時などに休みの取りやすさなどについては確認しておくのがおすすめです。
◎メリット:接客の経験があれば活かしやすい
△デメリット:シフト制がほとんどなので土日休みが難しい
②事務職
レシピ通りに正確に作業する習慣を活かし、事務作業も正確に進められることをアピールできます。
また、材料の発注・在庫管理経験は、事務職の備品管理や発注業務にも応用が効きます。
原価計算などで、ある程度PC業務をやり慣れているパティシエは
- Excel
- Word
- PowerPoint
などの基本的なソフトも使いこなせることが多いです。
もし日常的に使っていれば、それもアピールポイントになります。
事務職は基本的に土日祝やGW、正月休みがある職場がほとんどなので、パティシエの休みの取りづらさへの不満を解消することができます。
特に、私の周りではパティシエから医療事務に転職する人が多かったです。
資格を取ってからだと理解も深まり、異業種でも安心して転職することができるため、おすすめです。
◎メリット:体力的負担が軽減される/カレンダー通りに休める場合が多い
△デメリット:ほとんどPC作業の経験がない場合、適応が難しい場合もある
③品質・衛生管理職
食品衛生の知識や、その実践経験が活かせる職種です。
細部にも注意深く品質チェックを行う視点は、転職後もすぐに役立つスキルとしてアピールできます。
衛生管理の知識や実践スキルは品質・衛生管理職で評価されることが多いです。
賞味期限の管理や、材料の適切な保存方法の知識も衛生管理の業務に結びつきます。
このようにスキルを活かして働くことは十分に可能ですが、今までの職場のやり方と違う場合は少し注意が必要です。
まずは転職先でのルールややり方を第一に考え、必要があればより良くなるよう提案していくのがおすすめです。
◎メリット:衛生知識が活かせる/基本的にカレンダー通りの休日である事が多い
△デメリット:事務職や接客業と比べると求人数が少ない
④商品開発職
レシピ開発経験のあるパティシエは商品開発職もおすすめです。
お菓子の味やデザインを設計する繊細な感覚は、商品改良にも活かすことができます。
季節性や流行を取り入れた商品を提案した経験は、製菓以外の市場分析にも応用できるため、業界の幅は広がります。
製造特化よりも土日の休みが多かったりと待遇面も悪くない事が多いです。
特に、10年以上の経験があり、転職するか悩んでいるパティシエにはおすすめの転職先です。
経験が10年以下であっても、カフェやレストランの商品開発として転職が成功した例も多くあります。
実際、知人のパティシエは、カフェのメニュー開発職に採用が決まっていました。
今までのスキルがしっかり生きてくるのでおすすめです。
◎メリット:食に関する業界の場合、特にスキルが活かしやすい/待遇面も技術職よりは良い事が多い
△デメリット:イベント時は現場に入らないといけない可能性がある/打ち合わせなどで急な休日の変更などの可能性がある
⑤製菓学校の講師
パティシエとしての実務経験そのものを活かして実践的に教えることができるため、スキルを活かしやすい職業だといえます。
今までの失敗から学んだ経験が、学生へのアドバイスをより具体的にする事ができます。
また、母校で講師の募集があれば採用の確率は高いので、転職活動の難易度も低く、おすすめです。
母校でなくとも、今まで後輩や実習生に教えてきた経験や成長スピードなどをしっかりと伝えることで、教える側としてのスキルをアピールできます。
また、パティシエの講師だけでなく
- 進路担当
- 栄養学・食品衛生学
などの座学講師の枠を狙うのもありです。
◎メリット:過去に通っていた場合、仕事のイメージがつきやすい/生徒の年間予定に合わせて、夏休みなど長期休暇がもらえる可能性がある
△デメリット:求人数がそこまで多くはない
⑥カフェやレストランの厨房スタッフ
パティシエからの転職で特に人気が高いのがカフェやレストランの厨房スタッフです。
厨房での立ち仕事や繁忙期への適応力がすでにあるため、ストレスを感じづらいのがメリットといえます。
マルチタスク能力や、衛生管理能力は新しい厨房環境でもすぐに活かせるでしょう。
また、盛り付けの美的センスは料理の仕上げにも応用できます。
同じサービス業のため土日休みなどの待遇がある職場はかなり少ないですが、クリスマス時期などの忙しさは緩和されます。
かなり近い職種のため、転職の際は自分が譲れない条件を明確にして、要項を隅々までチェックしておくのがおすすめです。
◎メリット:スキルを活かしやすい/経験を評価されてすぐにメニュー開発などを任される可能性がある
△デメリット:シフト制のため休みが取りづらい/立ち仕事なので身体的疲労はあまり改善されない
実際にパティシエから異業種に転職を成功させた人の体験談

「年齢的に、異業種に転職できるか不安…」
「パティシエとして働いた経験しかないのに、本当に別の業種で雇ってもらえるの?」
こんな不安を持つ方も多いかもしれません。
私の体感ですが、経験年数に関係なく、パティシエを退職した半分以上の方は異業種へ転職しています。


更に、
- 業種別の「異業種からの転職の割合」
- 年代別の「異業種からの転職の割合」
を調べて比較したデータがありますが、どちらも、すべての年代や業界での異業種転職率は50%を超えています。
つまり、パティシエという職業や年齢に限らず、同業種よりも異業種への転職をおこなう人のほうが多いということです。
不安を感じる気持ちもあるかもしれませんが、転職先を見極め、しっかりとスキルをアピールすることで異業種への転職を成功させることは十分可能です。
とはいえ、実際に転職を成功させた人はどのような感じだったのか、気になる方も多いと思います。
そこで、私の周りで実際にあった異業種への転職を成功させた例を簡単に紹介していきます!
【1人目】30代女性:部品メーカーの事務職に転職
約10年ほどパティシエとして勤務した後に、部品メーカーの事務職に転職した例です。
知人の紹介で転職を成功させています。
結婚などを機に働き方を見つめ直し、土日休みの仕事をしたいという希望があり、転職を決めたそうです。
サービス業であるパティシエから事務職に転職したことで、土日はもちろん祝日や正月休みなどもしっかりある点が転職したメリットだった、とのことです。
在庫管理や原価計算なども総括して行っていた方だったので、事務職でもそのスキルが活かせているのだと思います。
家庭と仕事の両立が叶った転職例です。
【2人目】20代前半女性:カフェメニュー開発スタッフに転職
3年ほどパティシエとして働いた後に、カフェスタッフに転職した例です。
求人サイトからの応募で採用が決まっています。
今までのスキルを活かしてメニュー開発全般を担当していて、ケーキの飾りつけからヒントを得てメニューの盛り付けに活かしているそうです。
今ではそのカフェになくてはならない存在になっているので、転職してよかった!とのことでした。
サービス業のため忙しい時間帯はありますが、パティシエに比べると繁忙期は少なめなので働きやすさも改善されています。
【3人目】40代女性:八百屋さんの事務職に転職
パティシエとして働きながら3人の子どもを育てるのが難しく、転職した例です。
求人サイトからの応募で転職を決めています。
子育てとの両立をしやすくなったことで、心に余裕が生まれた点が最大のメリットだそうです。
新しい職場では伝票管理などを行っていますが、パティシエ時代も似たようなことをやっていたためスムーズだった、とのことです。
待遇面も、休みの取りやすさなどが改善されていました。
パティシエが異業種に転職する方法3選

「そもそもどうやって転職するのがいいのかな?」
という方のために、パティシエが異業種に転職するための方法を3つご紹介します。
①転職サイトに登録して応募する
②知人に職場を紹介してもらう
③専門学校の卒業後就職支援サービスを使う
ひとつずつ解説します。
①転職サイトに登録して応募する
転職サイトは、インターネット上で求人情報が掲載され、求職者が応募できるサービスです。
- 自分のペースで転職活動を進められる
- スマホやパソコンで気軽に行える
- 転職活動に役立つコラムも見られる
などのメリットがあります。
登録しておくとおすすめの求人なども表示されるため、
「こんな仕事もあったんだ!」
と、やりたいことの幅が広がったりもします。
転職したいと思った時にすぐに行えるのが良い点です。
とはいえ、
「たくさんある転職サイトの中で、どれを使ったらいいの?」
と悩む方もいるのではないでしょうか。
そんな方にはマイナビ転職がおすすめです。
マイナビ転職は求人数が多く、20〜30代前半の転職希望者から特に支持されている転職サイトです。
幅広い企業の求人が掲載されているため、自分に合った求人を探すことが可能です。
また、パティシエから転職する上で、特に心配が大きい履歴書の作成や面接へのアドバイスをもらえるサービスも利用できます。
また、求人数の多さを重視するなら「エン転職」を利用するのもおすすめです。
エン転職は求人総数が約96,000件もあり(4/3現在)、更に毎週月曜日と木曜日に求人が更新されます。
また、
・ファッションを楽しみたい人
・美味しいお菓子をお求めの人
・動画や画像などの編集・制作
などの「働きがい」で求人を見つける機能もあり、「どんな職業にしようかな」と悩んでいる方も、働きがいから求人を検索できて便利です。
30代・40代の方は、エン ミドルの転職というサイトをチェックしてみるのも選択肢の一つです。
・30代・40代のミドル専用サイトで、登録者の平均年齢が45歳
・年収1000万円以上の求人が5000件以上ある
・会員限定非公開求人・スカウト情報が見られる
などのメリットがあります。
専門分野に詳しいエージェントが転職活動をサポートしてくれるのも良い点です。
先ほど紹介した「エン転職」とは別に会員登録する必要があるので、その点だけ注意しましょう。
なお、転職サイトと似たサービスに転職エージェントというものもあります。
キャリアアドバイザーが求職者と企業をマッチングさせ、中間に立って転職活動全般をサポートしてくれるため、転職に不安を抱える人にとても有益なサービスです。
ですが、転職エージェントに掲載されている求人はパティシエから転職するには少しハードルが高いものが多いです。
そのため、まずは複数の転職サイトに登録して求人を探すことをおすすめします。
②知人に職場を紹介してもらう
実際に、知人に紹介してもらうことで異業種への転職に成功した例は多いです。
近くの友人はもちろん、パティシエを辞めて異業種に転職した先輩などに相談することで、系列の職場に転職できたというパターンもあります。
「辞めたい…」と思ったタイミングで、複数の人に相談することで次の職場への道がひらけるかもしれません。
ただし紹介の場合、
- 条件の確認が不十分になる
- 他社と比較せずに進めてしまう
- 辞退をしにくい
などの注意点もあります。
採用条件の確認や他社との比較・検討も行い、納得したうえで転職活動を進めていきましょう。
③専門学校の卒業後就職支援サービスを使う
パティシエとして働く人の多くは、製菓専門学校を卒業しています。
製菓専門学校には独自の求人が貼り出されていて、卒業生も閲覧・応募することが可能です。
進路担当の先生などに相談しながら選ぶこともできるため、安心感もあります。
厳密には異業種への転職に含まれないかもしれないですが、おすすめの方法です。
実際、卒業後いちど別の職場に就職し、その後に専門学校経由で私の職場に採用が決まった後輩がいました。
その方は、前の職場よりずっと待遇が良くなったと満足していました。
パティシエだけでなく、
- カフェスタッフ
- レストランのデザート担当
などスキルを活かしながら働ける求人も多いため、完全に業界から離れたいわけでないなら一度行ってみるのもおすすめです。
パティシエが異業種に転職するときの4つのコツ

パティシエが異業種に転職する際のコツは以下の4つです。
①持っているスキルを言語化する
②自分のできることを視覚的にまとめてみる
③転職先ごとに準備を行う
④関連性のある職種から始めてみる
ひとつずつ説明します!
①持っているスキルを言語化する
先程、「パティシエが異業種に転職する時にアピールできるスキル4選」を解説しました。
改めてもう一度ご紹介します。
①マルチタスク・時間管理能力
②コミュニケーション能力
③売上管理・分析能力
④仕事の正確さや緻密さ
これらにプラスして、自分だけが持つ独自の長所や任されてきた業務を言語化し、しっかりと伝えることで、異業種からの転職でも貢献できることをアピールできます。
②自分のできることを視覚的にまとめる
パティシエ時代の作品写真や開発したレシピをビジュアル資料としてまとめ、いわゆるポートフォリオのようなものを作成するのも良いでしょう。
特に、カフェスタッフや商品開発部への転職の際に非常に有利です。
言葉で話すよりも、
・どんな作品を作ることができるのか
・ここではそれがどんな役に立つのか
などを具体的に伝えることができるため、説得力が増します。
③転職先ごとに準備を行う
転職先で必要とされる基本的なビジネススキルなどを事前に学んでおくのもおすすめです。
・PCスキル
・ビジネスマナー
に加えて、資格が必要なら資格取得まで持っていけると自信をもって転職活動に望むことができます。
特に、医療事務や営業など全く違う分野に挑戦する時には必須の準備です。
④関連性のある職種から始めてみる
完全に違う分野の職種よりも、食品に関連する企業など、まずは部分的に経験が活かせる業界に転職することから始めるのもよいです。
成功率が高まるだけでなく、今までのスキルが評価されて役職のついたポジションからスタートできる場合もあります。
転職サイトで求人を探す際は、積極的にチェックするのがおすすめです。
パティシエが異業種に転職するときの注意点
異業種に転職した当初は、パティシエとしての経験年数がそのまま評価されず、一時的に収入が下がる可能性があります。
そのため、まずは異業種の経験を積む期間と割り切るのが大切です。
自分の目標や理想とする働き方をはっきりさせて、「今はその準備期間!」という心持ちでいることで、少しでも不安を解消していけます。
また、近い業種に転職した際に起こりがちなのが、「今まで教わってきたやり方を転職先でも当てはめてしまう」ことです。
特に、衛生管理や食材の管理方法などは、同じ食の業界であっても全く異なる場合が多いです。
前職(パティシエ)での経験をそのままでは活かせない場合もあるので、まずはその場所のやり方に従って行うのがおすすめです。
「教えたことを素直に聞いてくれない!」と受け取られてしまった場合、なかなか新しいことを教えてもらえなくなる場合があるためです。
難しいですが、少し意識できると転職先での業務や人間関係がスムーズになります!
まずは「マイナビ転職」がおすすめ!
転職するときは、自分の持つスキルを分析し、次の場所でなにが出来るかを自分自身が理解することが大切です。
とはいえ、
「結局何から始めたらいいの?」
という疑問を持つ方も少なくないと思います。
そこでおすすめしたいのが、「マイナビ転職」です。
マイナビ転職は、株式会社マイナビが運営する転職情報サイトです。
マイナビ転職は国内トップクラスの求人情報数があり、特に若手採用に強いと言われています。
求人の母数が多く、全国に対応しているため地方の就職にも強いです。
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パティシエは特に女性の割合が高い職業なので、理想の働き方を模索するうえでの助けになる可能性が高いです。
「マイナビ転職」に登録しておけば、同じ会員情報でどちらのサイトも利用することができるので便利です。
また、マイナビ転職の登録にはパティシエにとっての大きなメリットがあります。
マイナビ転職に登録すると、
- 履歴書の書き方のコツを採用担当者の視点でアドバイスしてくれる「履歴書コーチ」
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という無料サービスが利用できます。
これらを大きなメリットに挙げた理由は、就職・転職活動のやり方を詳しく知らないパティシエが多いと感じるからです。
パティシエの業界は基本的に人手不足で、ビジネスマナーもさほど重要視されていない場合が多いです。
そのため、業界に入ることは簡単でも転職に苦戦することが多々あります。
実際、私の周りでも
「履歴書を書いたけど、本当にこれで大丈夫なの?」
「面接をするのが久しぶりで怖い…」
という方が何人もいました。
そんなとき、「履歴書コーチ」「面接コーチ」を利用するのがおすすめです。
1回のみの利用回数ですが、プロからアドバイスをもらうことで自信を持って転職活動を行えるので、試してみて損はありません。
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パティシエから異業種への転職についてよくある質問
①転職活動の進め方は?
②転職のタイミングはいつがいい?
③事務職に転職するときの志望動機は?
それぞれ、具体的に説明していきます。
①転職活動の進め方は?
パティシエから異業種に転職するときのステップは4つです。
- 理想の働き方を具体的にする
- 自分に合っている転職先を探す
- 応募書類を作成する
- 日程を調整し面接を行う
step1. 理想の働き方を具体的にする
転職したいと思った時、まず最初に「理想の働き方」を具体的にすることが大切です。
「土日休めないのは嫌だなあ」
「もう少し、趣味にお金を使いたい!」
「クリスマスは子どもと一緒に居てあげたい…」
そんな思いを、まずは書き出すのがおすすめです。
そして、それぞれの希望に当てはまる転職先の条件を確定していきましょう。
- 「土日休めないのは嫌だなあ」→「土日祝休み」
- 「もう少し、趣味にお金を使いたい!」→「手取り〇〇万以上」
- 「クリスマスは子どもと一緒に居てあげたい…」→「希望の日に有給が取れる」
理想の働き方を言語化することで、自分の譲れない条件を洗い出すことができます。
譲れない条件を洗い出すことは転職サイトでの条件検索に役立つだけではなく、知人の紹介などで転職する際も役立ちます。
悩まずに、話がスムーズに進むのでおすすめです。
step2. 自分に合っている転職先を探す
次に、条件に合わせて自分に合った転職先を探します。
複数の転職サイトに登録し、自分に合った求人を毎日チェックするのがおすすめです。
自分の希望する条件にプラスして、持っているスキルが活かせるかどうかにも着目しましょう。
転職したい仕事に資格が必要な場合は、並行して資格取得に向けての準備を進めていくとスムーズです。
step3. 応募書類を作成する
応募したい会社や企業が見つかったら、
- 履歴書
- 職務経歴書
などを用意します。
転職先に合わせて、パティシエが持つスキルの
①マルチタスク・時間管理能力
②コミュニケーション能力
③売上管理・分析能力
④仕事の正確さや緻密さ
などをアピールできる自己PRや志望動機を書けると採用率がアップします。
なお、パティシエ時代の業績について、数値(売上金額や管轄した店の前年比率など)を交えて別業種の人にもわかるように説明できると、更に完成度がアップします!
step4. 日程を調節し面接を行う
書類を用意したら、ついに面接です。
- 業界や企業に関する知識
- 「なぜ異業種に転職したいのか」の答え
- パティシエのスキルがどう活かせるかの具体例
これらを用意しておくと、面接でスムーズに話すことができます。
忙しい中で転職活動を進めるのは大変ですが、
・step1:理想の働き方を具体的にする
・step2:自分に合っている転職先を探す
くらいまでは働きながらでも行いやすいので、まずはそこから始めることをおすすめします!
②転職のタイミングはいつがいい?
パティシエから転職するとき、悩むのがいつ転職するかのタイミングです。
結論から言うと、
- 「繁忙期が終わったタイミング」
- 「もっと違う分野で成長したいと思ったタイミング」
の転職がベストです。
まず、繁忙期直前に辞めるのはあまりおすすめしません。
なぜかというと、引き止められる可能性がかなり高いからです。
人手不足に悩む製菓業界では、「繁忙期だけでも残って!」とお願いされ、そのまま気がついたら辞められていないという人も数多くいます。
そのため、3ヶ月前くらいから申告しておき、繁忙期が終わったタイミングで退職するという意思表示をしておくのが大切です。
退職願までは書かずとも、「◯月◯日で最後にしたい」という具体的な日付をある程度決めておくだけで、その後の話は進みやすいです。
自分も上司も今後の対策が立てづらくなってしまうので、あやふやにしないようにしましょう。
次に、「もっと違う分野で成長したいと思ったタイミング」での転職もおすすめです。
次の転職先でのアピールにもなり、ある程度スキルが身についた状態なので自信を持って転職することができます。
体感ですが、
- できる仕事の幅が増えてくる3年目
- 役職が与えられる事が多い5年目
- ほとんどの仕事をマスターできた10年目
あたりを節目にして本格的に転職を検討するという方は多いです。
ただ、体と心のどちらかひとつでも限界な場合は、なるべくすぐに退職できるよう相談しましょう。
③事務職に転職するときの志望動機は?
異業種の転職先の中でも人気が高い事務職ですが、業務内容がかなり異なるため志望動機に何を書けばいいか悩むかもしれません。
ですが、パティシエの経験を事務職で活かすことは可能です。
例えば
- レシピ通りに正確に作業する習慣を活かし、事務作業も正確に進められる
- 材料の発注・在庫管理経験が、事務職の備品管理や発注業務にも応用が効く
というふうに活かすことができます。
パティシエ時代にExcelなどを使用して事務作業をしていた場合は、ソフトを使いこなせることもアピールできます。
更に、忙しい現場で磨かれたコミュニケーション能力は基本的にどんな職場でも必須の能力です。
今までやってきた仕事を、事務職での作業に変換し、「どう貢献できるか」を伝えることが大切です。
まとめ:パティシエから異業種への転職は十分可能!
改めて、本記事の内容をまとめます。
以下の表は、
- パティシエに身についているスキル
- スキルを活かせる異業種の職業例
- 転職時にアピールできるスキルの具体例
をまとめたものです。
身についているスキル | 特にスキルを活かせる職業例 | アピールできるスキルの具体例 |
①マルチタスク・時間管理能力 | ・接客業・事務職・商品開発職 | ・プロジェクトの業務効率化・現場オペレーションへの提案・予期せぬトラブルへの対応力 |
②コミュニケーション能力 | ほぼすべての職業 | ・報告/連絡/相談の徹底・情報共有の重要さへの理解 |
③売上管理・分析能力 | ・商品開発職・カフェやレストランの厨房スタッフ | ・顧客ニーズの把握・顧客ニーズと会社の要望を反映した商品設計のノウハウ・原価計算 |
④仕事の正確さや緻密さ | ・事務職・品質(衛生)管理職 | ・基準やルールを厳守した作業・正確な仕事を続けるための作業ノウハウ・食品衛生の知識と実務経験 |
これらを頭に入れたうえで、転職活動を進めていけると、
- 履歴書に書く内容
- 面接での受け答え
などに迷うことも少なくなりますし、次にどんな職業を選ぶかの判断もつきやすくなります。
まずは求人の情報を収集するところから、異業種への転職活動を始めていくと良いでしょう。
- 国内トップクラスの求人掲載数で若手採用に強い
- 面接や履歴書への添削サービスがある
ふたつを兼ね備えたマイナビ転職をチェックするところから始めるのもおすすめです!
無料で登録でき、便利なアプリ版もあるので、ぜひ見てみてくださいね。
異業種に転職することは難易度が高く感じるかもしれません。
実際私も、転職すると決めてから毎日不安な気持ちでいっぱいでした。
ですが、今まで培ったスキルを新しい場所でどのように活かせるのかを理解し、しっかりと伝えることで、転職への道は必ずひらけます。
異業種への転職の際に、本記事の内容が少しでも役に立てば幸いです。